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放電加工業者の選び方と対応素材の確認ポイント

放電加工
POINT MAP 放電加工業者の選び方と対応素材の確認ポイントの判断軸
1. 技術要件対応素材・加工方式・精度条件を整理
2. 品質管理公差、測定方法、検査体制を確認
3. 発注条件数量、納期、図面、見積条件を比較

放電加工とは|原理と他の加工方法との違い

放電加工の基本原理

放電加工(EDM: Electrical Discharge Machining)は、電極とワークの間で発生する放電エネルギーを利用して金属を除去する非接触加工法だ。機械的な切削力がかからないため、硬度に関係なくあらゆる導電性素材を加工できる。

放電加工の基本メカニズムは以下の通りだ。

  1. 加工液(絶縁性の油または純水)中で電極をワークに近づける
  2. 電極-ワーク間の微小ギャップで放電が発生(数μsecのパルス放電)
  3. 放電点の温度が6,000〜12,000℃に達し、局所的に金属が溶融・蒸発
  4. 加工液の急冷効果で溶融金属が飛散・除去される
  5. 1〜4を高速繰り返し(数千〜数百万回/秒)、形状を創成する

放電加工の種類(型彫り・ワイヤー・細穴)

種類 電極形態 主な用途 加工精度
型彫り放電加工 成形電極(銅・グラファイト) 金型キャビティ・複雑3D形状 ±5〜10μm
ワイヤー放電加工 走行するワイヤー(φ0.05〜0.3mm) 抜き型・ダイ・精密輪郭加工 ±2〜5μm
細穴放電加工 パイプ電極(φ0.1〜3mm) 噴射ノズル・冷却穴・スタートホール ±10〜20μm

切削加工との比較

比較項目 放電加工 切削加工(マシニング等)
加工力 ゼロ(非接触) 切削抵抗が発生
加工可能硬度 制限なし(焼入れ鋼もOK) 高硬度材は工具摩耗大
加工速度 遅い 速い
面粗さ Ra 0.1〜6.3μm(条件次第) Ra 0.4〜6.3μm
形状自由度 電極形状で自由(型彫り)/ 2D輪郭(ワイヤー) 工具到達範囲に制限
素材条件 導電性素材のみ 非導電性素材も可

放電加工が必要になるケースと適用素材

放電加工を選択すべき場面

対応可能な素材一覧

素材分類 代表例 加工適性
工具鋼・金型鋼 SKD11, SKD61, HAP40 ◎ 最も得意
超硬合金 WC-Co系 ◎ 切削では困難
ステンレス SUS304, SUS420J2 ○ 良好
チタン合金 Ti-6Al-4V ○ 良好
耐熱合金 インコネル718, ハステロイ ○ 切削より有利
銅・銅合金 ベリリウム銅, タフピッチ銅 ○ 電極消耗に注意
アルミ合金 A7075等 △ 切削の方が効率的

関連記事: タングステン加工の方法と発注ガイド|難削材の特性・対応メーカー比較

放電加工業者を選ぶ際の確認ポイント

設備・対応力の確認項目

確認項目 具体的に聞くべきこと なぜ重要か
保有機種 型彫り・ワイヤー・細穴のどれを保有しているか 加工種類によって必要な機種が異なる
最大加工サイズ テーブルサイズ・最大ワーク重量 大物部品は対応できる業者が限られる
加工精度実績 過去に達成した最高精度は 仕上げ精度±2μmは設備と技術の両方が必要
電極製作能力 自社で電極を製作できるか 外注すると納期・コストが増加する
CAD/CAMシステム 3D CADデータの受入可否 STEP/IGESの直接読み込みで工程短縮
品質管理体制 ISO取得・測定設備・検査成績書対応 金型部品は検査証明が必須の場合が多い

型彫り放電加工業者の特有チェックポイント

ワイヤー放電加工業者の特有チェックポイント

関連記事: インコネル加工の方法と発注時の注意点ガイド

放電加工の見積・コスト構造

コストに影響する主な要因

コスト要因 影響度 内容
電極製作費 型彫り放電の場合、電極費用が全体の30〜50%を占めることがある
加工時間 放電加工は切削より遅い。加工面積・深さに比例
要求精度 高精度ほどカット回数増・条件変更が多くなる
素材硬度 放電加工は硬度による影響が少ない(利点)
仕上げ面粗さ 鏡面仕上げは低エネルギー条件で長時間加工が必要

見積依頼時のコツ

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放電加工の発注前後に確認すべき事項

発注前の素材・仕様確認

放電加工では素材の電気的特性(導電性・抵抗値)と機械的特性(硬度・靭性)の両方が加工精度に影響します。発注前に以下の項目を業者へ確認・共有してください。

受入検査での確認ポイント

放電加工品の受入時は、形状精度に加えて加工面の品質も確認することが重要です。下表の項目を系統的に検査し、記録として保管してください。

確認項目 確認内容 使用器具 注意点
形状精度 主要寸法・公差範囲内であるか 三次元測定機・ノギス・マイクロメータ 深い形状は三次元測定機での確認が必須
表面粗さ Ra値・再鋳造層(白層)の有無 表面粗さ計・金属顕微鏡(断面観察) 白層が残存すると後工程での割れリスクがある
コーナR・エッジ 設計値通りのRが形成されているか ルーペ・光学測定器 電極消耗で微妙に丸みが変化することがある
貫通穴・止まり穴 深さ・直径・テーパの有無 ピンゲージ・デプスゲージ ワイヤー放電では入口と出口のずれに注意

放電加工コストを最適化するためのヒント

放電加工は工具を消耗せず複雑形状を高精度に加工できる一方、加工時間が長くなりがちでコストが高くなる傾向があります。以下のポイントを活用してコストを最適化しましょう。

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