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フランジ加工の方法と発注ガイド|種類・精度・メーカー選定

旋盤加工
POINT MAP フランジ加工の方法と発注ガイド|種類・精度・メーカー選定の判断軸
1. 技術要件対応素材・加工方式・精度条件を整理
2. 品質管理公差、測定方法、検査体制を確認
3. 発注条件数量、納期、図面、見積条件を比較

フランジ加工とは

フランジの種類と用途

フランジ種類 接続方式 主な用途
溶接ネックフランジ(WN) 突合せ溶接 高圧配管・化学プラント
スリップオンフランジ(SO) 差し込み溶接 一般配管
ねじ込みフランジ ねじ接続 小口径・低圧配管
ブラインドフランジ 管端の閉止 配管末端・検査口
ラップジョイントフランジ スタブエンドと組合せ 頻繁に着脱する配管

フランジに求められる精度

精度項目 一般精度 精密加工
座面平面度 0.05mm 0.01mm
ボルト穴位置度 ±0.3mm ±0.1mm
ボア内径公差 ±0.1mm ±0.03mm
座面粗さ Ra 6.3μm Ra 1.6μm

ガスケット座面の平面度と面粗さが漏れ防止の鍵を握る。RF(レイズドフェイス)面のセレーション(同心円溝)の仕上げがガスケットの密着性を左右する。


フランジの加工方法

旋盤加工(座面・ボア加工)

フランジの基本加工はCNC旋盤で行う。外径・ボア・座面・ハブ(ネック部)を旋削し、座面にはセレーション加工(同心円の微小溝)を施す。

大型フランジ(外径500mm以上)は立旋盤(VTL)で加工する。チャッキングの精度がボア径と座面の同軸度に直結するため、段取りの管理が重要だ。

フライス加工(ボルト穴・キー溝)

ボルト穴はフライス盤またはマシニングセンタで加工する。穴数・PCD(ピッチ円直径)・穴径は規格で定められているため、図面と規格の整合性を加工前に確認する。

研削加工(高精度座面仕上げ)

超精密な座面が求められるケース(原子力・半導体装置用など)では、旋盤加工後に平面研削で座面を仕上げる。平面度0.01mm以下、面粗さRa 0.4μm以下の達成が可能だ。

溶接後の仕上げ加工

溶接ネックフランジは鍛造品のネック部を配管に溶接した後、溶接部の仕上げ加工を行うことがある。溶接変形の矯正と座面精度の確保が目的だ。


規格別のフランジ仕様

JIS規格(JIS B 2220)

国内で最も一般的なフランジ規格。呼び圧力は5K・10K・16K・20K・30K・40K・63Kの7段階で、材質はSS400・SUS304・SUS316等がある。

ANSI/ASME規格(ASME B16.5/B16.47)

北米・グローバル標準のフランジ規格。クラス150・300・600・900・1500・2500の6段階。JIS規格とは寸法体系が異なるため、互換性は保証されない。

圧力等級と材質の対応

用途 推奨規格 材質例
一般水配管 JIS 10K SS400・FCMB
化学プラント JIS 20K〜 SUS316L
海外プラント ASME Class 300〜 A105(炭素鋼鍛造)
高温・高圧 ASME Class 900〜 A182 F22(CrMo鋼)

発注先の選び方

大型フランジへの対応力

大型フランジ(外径500mm〜2,000mm以上)の加工には、大型立旋盤とクレーン設備が必要だ。加工可能な最大径を事前に確認する。

素材調達力(鍛造品の手配)

高圧フランジは鍛造品(フォージング)から削り出す。鍛造メーカーとの取引実績があるか、丸棒からの削り出しにも対応できるかを確認する。

国内メーカーの比較ポイント

対応規格: JIS・ANSI/ASME両方に対応できるか

材質の対応範囲: 炭素鋼・ステンレス鋼・特殊合金

非破壊検査の対応: PT(浸透探傷)・UT(超音波探傷)・RT(放射線透過)

品質認証: ISO 9001、圧力容器向けはASME U stamp


コスト構造と見積のポイント

コスト要素 影響
素材形態 鍛造品は板材削り出しより高いが強度が保証される
外径サイズ 大型になるほど設備制約→単価上昇
規格準拠 ASME規格は検査コストが加算
表面処理 亜鉛めっき・塗装は追加費用
検査 非破壊検査は1枚あたり数千〜数万円
加工内容 試作(1〜5枚) 量産(50枚〜)
小型フランジ(〜φ200mm) 3〜5営業日 1〜2週間
中型フランジ(φ200〜500mm) 1〜2週間 2〜3週間
大型フランジ(φ500mm〜) 2〜4週間 4〜8週間

鍛造品の調達期間として別途2〜6週間が必要。


発注時の注意点

規格の指定方法(JIS vs ANSI互換性)

JIS規格とANSI/ASME規格はボルト穴のPCDやガスケット座面の寸法が異なる。相手フランジの規格を確認してから発注すること。JIS 10KとASME Class 150は寸法が異なるため、互換性はない。

圧力試験・非破壊検査の要否

水圧試験: 圧力容器規格に準拠する場合は必須

PT(浸透探傷): 溶接部や座面のき裂検出

UT(超音波探傷): 鍛造品の内部欠陥検出

材料証明書: EN 10204 Type 3.1(第三者検証付き)が求められる場合もある


まとめ

– [ ] フランジの種類(WN/SO/ねじ込み等)の選定

– [ ] 準拠規格の確認(JIS B 2220 / ASME B16.5)

– [ ] 圧力等級と材質の組み合わせ確認

– [ ] 座面仕上げの要求精度明確化

– [ ] 非破壊検査の要否確認

– [ ] 対応メーカー2〜3社への見積依頼


参考規格・文献

– JIS B 2220:2012 鋼製管フランジ

– ASME B16.5 Pipe Flanges and Flanged Fittings

– JIS B 2240:2006 銅合金製管フランジ

– ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム


*この記事は精密加工ジャーナル編集部が作成しました。記載内容は執筆時点の情報に基づいています。*

発注前チェックリスト

  • 図面・材質・公差・表面処理の指定が揃っているか
  • 同等加工の実績、検査設備、品質保証体制を確認したか
  • 見積条件に納期、ロット、追加費用、再加工条件が含まれているか

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