業界×加工技術×精度で探せる精密加工の発注先比較メディア 検索 発注先を相談する
TOP / 旋盤加工 / シャフト加工の方法と発注ガイド|材質・精度・メーカー選定
LATHE

シャフト加工の方法と発注ガイド|材質・精度・メーカー選定

旋盤加工
POINT MAP シャフト加工の方法と発注ガイド|材質・精度・メーカー選定の判断軸
1. 技術要件対応素材・加工方式・精度条件を整理
2. 品質管理公差、測定方法、検査体制を確認
3. 発注条件数量、納期、図面、見積条件を比較

シャフト加工とは|精密軸物加工の基本

シャフトに求められる精度

精度項目 一般精度 精密加工
外径公差 ±0.02mm ±0.005mm
真円度 0.01mm 0.003mm
同軸度 0.02mm 0.005mm
表面粗さ Ra 1.6μm Ra 0.2μm

シャフトの精度要件は、軸受(ベアリング)との嵌合精度に直結する。JIS B 0401の公差域クラスで「h6」「g6」「js6」等の指定が一般的だ。

シャフトの種類

種類 特徴 加工の難度
ストレートシャフト 全長にわたり同一外径 低〜中
段付きシャフト 複数の外径を持つ
スプラインシャフト 外周にスプライン溝
中空シャフト 中心に穴がある軽量構造 中〜高
偏心シャフト 中心がずれた構造

シャフトの主な加工工程

旋盤加工(CNC旋盤・複合加工機)

シャフト加工の主工程はCNC旋盤による外径切削だ。段付き形状・テーパー・ネジ切りなどを1チャッキングで加工できる。

複合加工機(ターニングセンタ)を使えば、旋削と同時にフライス加工(キー溝・Dカット・穴あけ)も行えるため、段取り替えなしで複雑形状のシャフトを完成できる。

研削加工(円筒研削・心なし研削)

旋盤加工後の仕上げ工程として、円筒研削が用いられる。

研削方式 特徴 適したシャフト
円筒研削(センタ支持) 高い同軸度。片端ずつセンタ穴を基準に研削 段付きシャフト・長尺品
心なし研削(センタレス) 高い量産性。センタ穴不要 ストレートシャフト・ピン

精密軸受と嵌合するシャフトでは、円筒研削で真円度0.003mm以下を目指す。

熱処理(焼入れ・調質・窒化)

シャフトの耐摩耗性・疲労強度を向上させるため、熱処理を施すことが多い。

熱処理 硬度目安 適用部位
高周波焼入れ HRC50〜60 軸受嵌合部・摺動面
調質(焼入れ+焼戻し) HRC25〜35 全体の強度向上
窒化処理 HV700〜1,000(表面) 耐摩耗・耐疲労
浸炭焼入れ HRC58〜63(表面) 高荷重歯車軸

高周波焼入れは「必要な部分だけ」硬化できるため、軸受嵌合部のみ硬化し、キー溝部は被削性を保つ設計が可能だ。

表面処理(めっき・硬質クロム・DLC)

表面処理 目的 膜厚目安
硬質クロムめっき 耐摩耗・耐食 10〜100μm
無電解ニッケルめっき 均一膜厚・耐食 5〜50μm
DLCコーティング 低摩擦・耐摩耗 1〜5μm
黒染め 防錆(簡易) 1〜2μm

硬質クロムめっき後は研磨仕上げを行い、所定の寸法・面粗さに仕上げる。


素材別の加工ポイント

炭素鋼・合金鋼(S45C・SCM435)

最も一般的なシャフト素材。切削性が良好で、調質・高周波焼入れとの相性もよい。S45Cは汎用シャフト、SCM435は高強度シャフトに使われる。

ステンレス鋼(SUS304・SUS316)

耐食性が求められる環境(食品機械・化学装置・医療機器)で使われる。SUS304は加工硬化しやすく、切削速度を抑える必要がある。SUS316は耐食性がさらに高い。

特殊材(チタン・インコネル)

航空宇宙・医療用途ではチタン合金(Ti-6Al-4V)やインコネルのシャフトが使われる。専門的な加工ノウハウが必要であり、対応メーカーが限られる。


発注先メーカーの選び方

対応サイズの確認

確認項目 一般的な対応範囲
外径 φ5〜φ300mm
長さ 〜1,500mm
L/D比 10以下が一般的。10超はびびり対策が必要

長尺シャフト(L/D比10超)は旋盤加工中の「びびり」(振動)が問題になるため、対応経験のあるメーカーを選ぶ。

一貫加工の可否

旋盤→研削→熱処理→表面処理の4工程を一貫で対応できるメーカーは、品質管理と納期の面で有利だ。外注に出す工程が多いほど、中間検査の手間とリードタイムが増える。

品質管理体制

– 三次元測定機の保有

– 真円度測定機の保有(精密軸受嵌合部の測定用)

– 材料証明書(ミルシート)の提出対応

– ISO 9001認証


コスト・納期の目安

加工内容 試作(1〜5本) 量産(100本〜)
ストレートシャフト(旋盤のみ) 3〜5営業日 1〜2週間
段付きシャフト(旋盤+研削) 1〜2週間 2〜3週間
段付き+熱処理+研削 2〜3週間 3〜5週間
全工程一貫(旋盤→熱処理→研削→めっき→仕上研削) 3〜5週間 5〜8週間

発注時の注意点

図面記載のポイント(幾何公差の指定方法)

– 軸受嵌合部には公差域クラス(例: φ30h6)を必ず指定

– 真円度・同軸度はデータム基準を明示

– 表面粗さは機能面のみにRa指定(非機能面は「旋削面なり」)

– キー溝の幅・深さ公差をJIS B 1301に基づき指定

試作と量産での発注先の使い分け

試作(1〜5本)は小ロット対応の汎用加工メーカー、量産(100本以上)は専用ラインを持つ量産メーカーに分けることで、コスト最適化が図れる。


まとめ

– [ ] シャフトの種類と精度要件の明確化

– [ ] 素材の選定(S45C/SCM435/SUS/チタン等)

– [ ] 加工工程の設計(旋盤→研削→熱処理→表面処理)

– [ ] 図面への幾何公差の記載(公差域クラス・データム基準)

– [ ] 対応メーカー2〜3社への見積依頼

– [ ] 一貫加工 vs 分業の判断


参考規格・文献

– JIS B 0401:2016 寸法公差及びはめあいの方式

– JIS B 1301:2016 キー及びキー溝

– JIS G 4051:2016 機械構造用炭素鋼鋼材

– ISO 9001:2015 品質マネジメントシステム


*この記事は精密加工ジャーナル編集部が作成しました。記載内容は執筆時点の情報に基づいています。*

発注前チェックリスト

  • 図面・材質・公差・表面処理の指定が揃っているか
  • 同等加工の実績、検査設備、品質保証体制を確認したか
  • 見積条件に納期、ロット、追加費用、再加工条件が含まれているか

最適な加工先をお探しですか?

業界・加工技術・精度の3軸で、御社の要件に合う発注先をご紹介します。